なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

酒井家のしあわせ

2006年 日本 時間:102分 配給:ビターズ・エンド
監督:呉美保 出演:森田直幸/友近/鍋本凪々美/ユースケ・サンタマリア

酒井家のしあわせ (竹書房文庫)

酒井家のしあわせ (竹書房文庫)

シネカノン神戸にて鑑賞

前の夫と死別したお母さんと中学生の息子、若くして両親と死別したお父さん、2人の間に生まれた妹の家族構成。何かにつけうざったいお年頃の次雄君がふてくされてみたり、ときめいてみたり、とんがったりみたり、その表情がとても良いのだ。なんか励ましてやりたくなる感じ。森田くん、君やるなぁーと思って、観ていたんだが、よくよく考えてみれば、この映画は、ユースケが見事にはまっているから成功したのかも?
なぜだか、私はユースケ・サンタマリアを画面で見ると、速攻でチャンネルを変えたくなる。なんか見ていて落ち着かなくなる。全方向に向かって気を遣っているんだけど、それがうまく出来なくて、泡食っている。結果、周りに返って、気を遣わせてしまう人みたいな印象があるのだ。このお父さんもそんな感じ。すんごく優しい人なんだろうなぁー。でも、その優しさが人の神経を逆撫でしているところがある。そのうえ、孤独な人っぽい。大人になりきれていない大人、というか、人に甘えたり、甘やかされることがなくって大人になってしまった人が、まんま、ユースケにはまっているので、普段感じているこの人への「うざったさ」がここではとても生かされているように感じた。
そこへ、当然大人になりたいけど、まだ子供の次雄君が絡んでくるので、その精神的年齢のギャップのなさが結構面白く、友近のお母さんの手のひらの上で、二人面白いように転がされているのを見ているのが、とても楽しかった。あ、次雄君は他の人の手のひらでも転がされていたな(笑)

出てくる人がみんなほんわかして良かったけど、それぞれの大人の事情を見せつつって加減どころが良いバランスではないかと思ったりする。