なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

新美南吉童話集 ハルキ文庫

新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

小学校の教科書で「ごんぎつね」を読んで涙した日以来だよ。何年ぶりかしら、南吉つぁん。
勝手に年配の作者だと思い込んでいたけど、今の私よりも遥かに若いですよ。
この童話集を読んでの感想は、どれもただただ純粋な哀しみや喜びに満ちているといったものかな。
宮沢賢治だと、ちょっと、いや、かなり説教臭いっつーか、彼の信念というものが色濃く出てきているけど、新美南吉はそこまで主張しないんだよね。ちょっと先に大人になった友達に対しての微妙な感情を、哀しみという感情で表すのかーと。失ったものは二度と取り戻せないものに対する惜別の情をいつまでも忘れないって繊細な人なのかもしれない。
幼年童話のカテゴリに入っている作品は、どれもほのぼのとして可愛いんだ。

巻末の谷川俊太郎の解説がとても良いのでお勧めですよ。