なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

リトル・ミス・サンシャイン

2006年 アメリカ 時間:100分 配給:20世紀フォックス
監督:ジョナサン・デイトン/ヴァレリ・ファリス
出演:アビゲイル・ブレスリン/グレッグ・キニア/トニ・コレット/スティーヴ・カレル

シネリーブル神戸にて鑑賞

面白かったー!

家族再生がテーマの映画は結構あるけれど、こんなに微笑ましくて楽しくなるのって、そうないんじゃないかなぁ?
「ミス・リトル・サンシャイン」という美少女コンテストに繰上げで地区代表として出場することになったオリーヴ。黄色のおんぼろバスに乗って、カルフォルニアへ向かう。彼女と同行する家族達は誰も彼も問題ありで、パパは「勝ち組プログラム」を世に出そうとしているが、今のところ負け組に近い状態。オリーヴにも、出るからには勝たなきゃと激励する始末。
この家族の中で一番ひどいんじゃないかと思われるのが、オリーヴのおじいちゃん。かなりワルです。薬物中毒だし、エロ話大好きだし。だけど、彼があけすけなシモネタトークで閉口させつつも、家族が彼の言葉に勇気付けられたり慰められるのは、彼には嘘がないからだろうなぁ。哲学で理屈で論理武装していても、結局芯のところが弱いとダメなんだなぁーと、むしろだからこそ、そうやって自分の身を護ってきたんだと思うと、どうしようもない家族にも愛すべき、愛されるべき人たちに変わっていきます。なのに、じいちゃんてばー!
「ミス・リトル・サンシャイン」の会場は、天真爛漫なオリーヴと違って、他の女の子達はメイクも完璧に施され、コスチュームにも相当気合が入っている。正直、この場面は薄ら寒い思いがした。ジョンベネ事件で美少女コンテストの内容を私達は知ることになったけど、あえて少女に大人の女性を演じさせる光景は、見ていて気持ちの良いものではないけど、アメリカではミスコンの類は勝ち組へのひとつの手段なのかもしれないなぁ。最後のダンスシーンで、じいちゃん仕込みのダンスを披露するオリーヴ。じいちゃんの思惑はどうだったのかわからないけれど、強烈なアンチテーゼになっているよー。そしてつたないダンスがまたいいんだよ。

私はこのタイトルとオリーヴを見て、「オリーヴが我が家のミス・リトル・サンシャインだよ」なんて安直な結末を予想していたのだけど(爆)、それは見事に裏切られ(当たり前ですが)、何となく暖かい気持ちになりましたよ。帰りの道中も、きっと大変な道行だと思うけど、みんな元気で我が家に戻れるんだろうなーって感じだ。

オリーヴ役の女の子はあえて幼児体型に見せるようにファットスーツを着ていたけど、脚の長さだけは誤魔化せなかったね(笑)きっと、本当は相当可愛いんだろうなぁ。

で、じーちゃんの葬式はどうなったんだろう?アメリカの葬式事情がわからないけれど、ああいう事務的処理が普通なの?多分、違うんだろうけど。