なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

読んだ

*[BOOK]宇佐美まこと 骨を弔う 小学館

骨を弔う

人体標本は、70年代まで本物の人骨を使っていたそうで、2019年は、そんなニュースが各地で流れていたことを覚えているので、このエピローグに少し違和感があったものの、そんなことは大きな問題にはならなかった。

私は、あまりミステリーを読まないものだから、簡単に作者の術中に嵌ってしまう簡単な読者だと思う。この小説はミステリー要素が強いけど、どちらかといえば、ヒューマンものかなぁ。30年前、山中に人体標本を捨てに行った4人の小学生たちのその後を丹念に描き、地方都市ならでは人間関係の煩わしさや閉塞感が浮き出てくる。

そもそも、人体標本が見つかったニュースを知り、30年前捨てたのは果たして標本だったのかと疑問を抱いたのは、不可思議な出来事が身の回りに起こっていたからで、それが解き明かされる過程が、忌まわしいものだったのだけど、同時に人の優しさをも描かれているので、読後感はむしろ明るいものだった。

しかし、作者自ら作者推している文章を書くって、どんな気分なんだろうw

そして、出版元のプロモーションページが気合が入っている。映像化されるのか。