なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

観た

*[MOVIE]ボヘミアン・ラプソディ

2018年 アメリカ 135分

監督:ブライアン・シンガー 出演:ラミ・マレック、 ジョセフ・マッゼロベン・ハーディ他

神戸国際松竹

【Amazon.co.jp限定】ボヘミアン・ラプソディ 購入版(字幕版) / 限定オリジナルパッケージ付(要申込),  クイーンドキュメンタリー視聴券付II

21世紀になっても、クイーンのキャッチーなメロディはどこかで耳にすることがある。だからこそ、大ヒットにつながったのかなと思う。

私は、フレディ・マーキュリーの最期までを描くのかと思ったら、ライブ・エイドまでだったので、肩透かしを食らった気分だったけど、

これは「クイーン」の物語なのだ。最高のパフォーマンスを遂げたことを記憶に残してほしいのが、作り手の願いだと思う。

それにしても、あの大観衆の気持ちを一気に掴んでしまう力量って、鳥肌もの。その成功の裏での、裏切りや孤独やアイデンティーの問題があり、音楽での成功と個人の幸福は必ずしも一致しないのは、永遠のテーマだなぁ。歌の世界観も意味深。彼が亡くなった今、本当のところはわからないのだけど、いろんな想像をかきたてられる。

私は、どちらかと言うと、フレディ個人に興味をかきたてられたので、そういう意味ではこの作品は物足りなく思った。こんな特異なキャラはなかなか出てこないもの。当時のHIVエイズについては、偏見に満ちた間違った情報があふれていたから、どうやって、彼がそれに向き合っていたのかも知りたい、と思ったから。

*[MOVIE]ある少年の告白

2018年 アメリカ 115分

Boy Erased: A Memoir of Identity, Faith, and Family

監督:ジョエル・エドガートン 出演:ルーカス・ヘッジズ、 ニコール・キッドマンジョエル・エドガートンラッセル・クロウ

シネ・リーブル神戸

この作品について、ゲイの少年が、LGBTQの矯正施設に送り込まれ、脱走するまで、っていう情報のみで観に行ったんだけど、それ以上に複雑な要素がてんこもりで、観ながら、胸が塞がれる気持ちになった。かなり重い。

主人公のジャレッドが、まず性被害者であるにも関わらず、そのケアを受けることなく、どうやって、乗り越えていったのだろうと思ったこと。両親は、それよりもゲイであることの告白に両親が衝撃を受け、父親が牧師仲間に相談して、矯正施設へ入ることを決めたこと。そして、それを受け入れるジャレッド。真摯にそのセラピーに向き合おうとするけど、答えを出せなくて苦しむ姿。そもそも、矯正できるものなのか。しかも、スタッフがセラピーを受ける人間に対して、侮蔑的な言葉を投げつける施設はどうなのよ。告白をできなかった男性に、聖書を叩きつけ、彼の幼い妹にも、それを強制させる儀式とか、尋常じゃない。これ、まるで現代版マグダレン修道院だ。多分、父親は福音派の牧師だと思われる。信仰とあるがままの息子を受け入れることの間で葛藤する姿には、一概に責める気持ちにはなれない。対する、母親は直感で施設に不信感を抱き、息子を救い出す。

両親と息子のそれぞれの立場で考えると、なんだろう、息子の告白を受け入れたら万々歳なのか、というとそうでもない気がする。共感はしないが、理解することが大事なのはわかるのだけど。理性と感情が一致するには、かなり時間が必要なのだと思う。

何よりも衝撃的なのは、この施設がアメリカにあるということ。そして、いまだに存在していること。

役者がうますぎて、本当に息を詰めて観てしまった。監督が心理的に嫌すぎるセラピー教官を演じているんだが、芝居ならすごいと思うw

主人公演じたルッカス君の繊細な演技との対比がたまらない。

この作品の唯一の救われる場面は、ジャレッドがアート系の学生らしいゼイヴィアとの会話かなぁ。彼とは精神的に繋がっている感じがして、一番素の自分でいられたんじゃないかと思う。

私も、映写機トラブルにくじけずw、観られてよかった。