なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

胡同のひまわり

2005年 中国 時間:132分 配給:東芝エンタテイメント
監督:チャン・ヤン 出演:ジョアン・チェン/スン・ハイイン他

文革時代に青年期を過ごした世代は、一番報われない世代じゃないかと思う。いろんな希望や夢もあっただろうに、脳天気に過ごせる日々もなく、今では職場で真っ先に早期退職を迫られる立場だと聞いている。ここに出てくるお父さんもまさしくその世代。それでも、家族にそのことを決して話したりない。背中を見ろってことなんだろうけど、やっぱり話さなきゃわからないこともあるわけですよ。国は違っても、家族ってどこも似たようなものだなぁーと思います。それでも、息子のシャンヤンは立派に父親の夢をかなえて、芸術家になるわけですが、それで満足なの。お父さんは最後まで何も言わずにこの物語は終わってしまう。本当は心の中にはあふれんばかりの愛情や想いがあるのになぁ、本当に不器用なんだよね。映画の最後に同世代の人たちが楽しく老後を過ごしている場面が出てくるけど、それをあえて選ばなかったのが何とも。

たぶん、タイトルの「胡同」に飛びついた人は多いのでは?オールセットで撮影したとは思えないですよ。初めて四合院のつくりがわかって、楽しかったなぁ。ま、プライバシーがないのが難点かもしれない。ジョアン・チェンは、こんな下町育ちのおっかさんを演じるには、かなり品が良すぎるように思った。アパートは誰もが簡単に入れるわけじゃないのが、やはり中国なんだねー。かといって、偽装離婚してまで住みたいものなのかは理解しがたい。よくあることなのか?

子供のころのシャンヤンを演じたチャン・ファンがすごく印象的だ。お母さんにべったり甘えてるのは地なのかしら?目がとてもきれいだったよ。

日常生活の何気ない風景がとても愛おしく、何故だかわからないけど懐かしさを覚えるのね。この監督の「こころの湯」でもそんな感じ。

こころの湯 [DVD]

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スパイシー・ラブスープ [DVD]

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胡同(フートン)のひまわり (徳間文庫 (ち6-1))

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2作品ともシネカノン神戸にて鑑賞