なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

それでも生きる子供たちへ

2005年 仏・伊 配給:ギャガ・コミュニケーションズ 時間:130分
監督:メディ・カレフ 「タンザ」ルワンダ

カティア・ルンド 「ビルーとジョアン」ブラジル

ジョーダン・スコット/リドリー・スコット「ジョナサン」英

スパイク・リー 「アメリカのイエスの子ら」米

エミール・クストリッツァ 「ブルー・ジプシー」セルビア・モンテネグロ

ステファノ・ヴィネルッソ 「チロ」伊

ジョン・ウー 「桑桑と小猫」中国

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「タンザ」ルワンダ少年兵の物語。小学校に入り込み、涙を流すラストが印象的。彼が心に残していたものの1つなんだと。でも、それを思い出したからといって、彼はこれからどうなるんだろう。ほろ苦い後味。

「ビルーとジョアン」 ブラジルで金属を拾ったりして小銭を稼いで生活している幼い兄妹。その奮闘振りと強かにほっとするような、舌を巻く思い。

「ジョナサン」 この連作の中で異色のファンタジー。もっと尺を伸ばして観てみたいなと思った。でも、タイトルとかけ離れているような気がする。面白かったけど。

アメリカのイエスの子ら」 一番がつんと来た作品。なんつーか、流石スパイク・リーだと思ったけど、私は今まで一本も彼の作品を観たことがない。体内感染したHIV患者の子供たち。感染したことを告げられた子供たち、両親の動揺。それでも、両親は劣悪な環境から逃げるために薬に手を出してしまう。この最悪の連鎖から逃れようとシビアに現実を見据える子供たちがいる。この家庭環境から抜け出したとしても、その未来は決して明るいものではないことはわかる。それでも、何とか生き抜いて欲しいと願ってしまう。このタイトルのテーマに一番沿っているんじゃないかな。

「ブルー・ジプシー」 これもちょっとファンタジーなのかなぁ。印象に残ってない。
「チロ」 うーん、あまり心に残らなかったなぁ。親の無関心とか関係あるのかな。
「桑桑と小猫」 ひたすら、情に訴えますなぁ。でも、捨て子で親切にも拾って育ててくれたおじいさんも死んでしまった身寄りのない花売り子の小猫よりも、金銭的に満たされていても、両親の愛情に飢えている桑桑。確かに小猫みたいな物売りの子供たちは見かけたけれど、とりあえず生きていくために必死なのだろう。小猫にはその必死になるものがない。そこいら辺りの矛盾や格差が現代の中国の実情でもあるんだろうな。これからの未来を考える余裕すらない子供はやっぱり不幸だ。健気過ぎて、泣けるぞ。でも、物売りの子供たちから何かを買ってやるってことはこれからも私はしないだろう。