なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

ゆれる

2006年 日本 時間:119分 配給:シネカノン
監督:西川美和 出演:オダギリ・ジョー/香川照之/伊武雅刀ほか

このタイトル通り、観ている間ずっと気持ちが揺れ放しだった。
オダギリ・ジョー演じる弟猛は、静かな池に落ちた石みたいな存在。みんなの心をざわめかす。
弟にとっても、兄稔は同様の存在。
始終揺れ通しなのは、この兄弟だけなく、彼らの親世代も同じ。ずっとその連鎖で家は守られていく。
地方の町だと、こんな家族は珍しくないから、身につまされる人も少なからずいるだろうな、と思いつつ、兄さん側から私はこの作品を観ていた。
お互いに口にするべきじゃなかった想いを、図らずも法廷の中でさらけ出す羽目になってしまった
兄弟が痛々しかった。お互いがお互いを試す駆け引きが、つらかった。先に仕掛けたのは兄なんだろうか。と、フィルムを見て涙する弟を観ながら、ぼんやり考えた。
母の法事の場面で、自分の靴下が銚子からこぼれる酒で濡れるのもかまわず、稔がせっせと畳を拭いているの眺めている猛の視線がとても印象に残った。あと、洗濯物を黙々と畳む稔とかも、川ではしゃく場面も、なんかねー、大の大人だよ?普通はしゃがないっしょ?あれはね、昔の兄弟の関係を取り戻したかったんじゃないかなーと思うんだけどなぁ。切なかったー。
ラストはどうよ?うわーん、私だったら、弟を許すかもしれないが、信じないな。もう、内面に立ち入らせない。笑って拒絶するかな。
がっつりとした芝居を堪能したって感じ。なんかねー、今年の1番かも(笑)いや、わかんないけど。

ゆれる

ゆれる

ラストがきっちり書いてあるらしいです。