なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

中島たい子 そろそろくる 集英社

そろそろくる

そろそろくる

その年代にならなければ、その性でなければ、理解できない小説ってある。これがそう。もう切な過ぎるほど分かり過ぎてしまう。10年前じゃ、共感できないかったな、たぶん。PMS(月経前症候群)の女性がヒロインですが、その情緒不安定さや、ナガティヴ思考に陥っていく様の様子の描写が上手いなぁ。年下の恋人が出てくるけど、彼もやっぱり一人でふらっと旅に出たりする。袋小路にはまりこんだ自分にガス抜きしているみたいな二人。自分の体と対話するのも大切なことだと思う。

この2作品を読んでしばらく、「種の保存」について考えさせられた。ま、答えは出ないわけですけども。考えたくなる年頃ってことで。