大森望・豊崎由美 文学賞メッタ斬り!
- 作者: 大森望,豊崎由美
- 出版社/メーカー: PARCO出版
- 発売日: 2004/03/18
- メディア: 単行本
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遅まきながら読んだが、ネットで公開されていた対談以上に面白かった。痛快な斬りっぷりでした。一気に通読したかったけど、脚注も読まないと(これが秀逸)いけないし、本のタイトルをメモしないといけないわ、でなかなか読み進みませんでした。これだけ幅広いジャンルを読み、なおかつ批評できるとは、仕事とは言え(あ、でも、どっちが先なんだろう)その鑑識眼と薀蓄には敬服してます。つか、リスペクトしちゃってるんですよー(爆)ホントに本に愛情を注いでこられたんだなって文章の行間から溢れるほどに。
あんなに輝じいやツモじいをあげつらってもいいんですか?心配です。でも、石原都知事だって相当なもんだと思いますよ。とはいえ、本を読まない人にも名前が知られて、つまらないと言われながらもコンスタントに作品を発表できるってのは、かなりのものなんだとわかった。いえ、最初の2名がつまらないと言っているわけではないです。輝じいはむしろ好きです。(余談ながら「避暑地の猫」は以前ドラマになっているのですよ。ほんとにメロドラマ仕立てでした)
あと、文学賞(特に新人賞)の下読みはそれこそ「何が悲しくて〜」だなあ。その膨大な石っころの中からキラリと光る作品を見つけたときの喜びったら、編集者ならでは醍醐味だよなぁ。喜びと苦しみは表裏一体なんだねぇとしみじみさせられる。芥川賞と直木賞の受賞コメントは前もって提出させられるんですね。いやなことするねぇ。何回も書いている作家の立場はどうなるんだよ?軽いイジメかもしれない。
もうすぐ、芥川賞・直木賞下期の発表の時期だ。あの方たちの選評が楽しみだ。なんか違う(笑)
私が何となく気になるのは、山本賞と野間文芸新人賞だろうか。