なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

白鳥の湖

演出・振付:マシュー・ボーン
ザ・スワン/ストレンジャー:ジェイソン・パイパー
王子:首藤康之
女王:キャンディス・エヴァンス他

2階席なのに、オペラグラスを忘れた!おかげで3幕以降はどこにストレンジャーがいるのかわからなくて困った。トホホ
時代設定が現代になっていて、結構風刺も効いていて面白かった。1幕はどうやらバレエの古典のエッセンスを集めたものらしいのだけど、初バレエなので何が何やらさっぱりわからず(爆)でも、蛾の妖精のコスチュームが可愛らしくて素敵。全幕通して、女王のコスチュームはクラシックスタイルでこれまた素敵だった。でも、スワンのコスチュームはあれは下手するととんでもなく間抜けだよなぁー。やっぱり、王子様タイツじゃないと感じ出ないよねって初バレエ鑑賞者は思う。そして、バレエは才能以前にプロポーションが大切だということを痛感したのが、スワンの群舞。あきらかにダックやグースが混じっているよ!四羽の踊りにダックがいるよ!って思って、私の笑いのスイッチを押しまくりです。

王子がスワンを見て恋焦がれるという設定らしいけれど、公園で見かけたスワンへ対する感情は、自分にない自由を持ち、なおかつ力強さも美しさも兼ね備えている存在に対する憧れみたいなものを感じました。2幕で2人が一緒に踊る場面はうっとり。男が男をリフトするのは大変じゃないかと思われますが、ドキッとしたりして(笑)

3幕は大人になった王子が出てきた。えー、最初の王子と雰囲気が違うのねと少しがっかりしたのは最初のうちだけ。スワンにそっくりのストレンジャーが女王の心を射止めた。嫉妬に狂う王子の心情が痛いくらい伝わってくる。恋慕だけじゃなくて、パーフェクトな女王にまたもや太刀打ちできない自分の存在にも絶望したのかも、何ていうかコンプレックスを大いに刺激される場面だなぁ。それ以降の王子の苦しみがこっちにも伝わってくる感じがして切なかった。

2幕のスワンの踊りを観て、もうどうにでもしてくださいとまで思ったけど、3幕以降スワン(ストレンジャー)の存在が弱くなったと思えた。王子が嫉妬するほど素敵にも思えなくなった、どういうわけだか。残念。

全幕観て思ったのは、最初に観るのはやはり従来版というのか古典版というのか、ともかくそちらを先に観ておけばもっと楽しめたかもってこと。やはり、チュチュと王子様タイツは永遠の憧れっていう擦り込みが出来ているからか。

マチネ
フェスティバルホール 2階J列R31番で鑑賞