なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

題名のない子守唄

2006年 イタリア 時間:121分 配給:ハピネット
監督:ジョゼッペ・トルナトーレ
出演:クセニア・ラパポルト/アンヘラ・モリーナ/マルゲリータ・ブイ他
シネカノン神戸

冒頭の注意のおかげですっかり引き込まれてしまったが、これが思うツボだったのかもしれない。
美しいけれど、どこか人生に疲れた女性が登場するところから、ミステリアスだし、随所に彼女の過去がフラッシュバックされるんだけど、そこから彼女の素性や彼女のとる行動の意味を探っていく過程はドキドキものだった。それでもって、モリコーネの音楽がこれでもかってぐらいに盛り上げるのだ。面白かったですよ。結末を知るまでは。何だか、この結末を知るまでの時間はこの世界に没頭できたのに、なんか膝カックンって感じですよ。何だろう、あれだけの伏線らしきものを張っておいて、これなの?私は、フラッシュバックされてた中で察することができる彼女の素性以上のものがあると思い込んでいたので、釈然としないものがあった。

ただ、実際にこのヒロインのような境遇の女性は少なからずいるのはわかるし、彼女の関わった組織もないとは言い切れないところに背筋が寒くなる思いがした。立場の弱い人間に付け込む組織もあるよね。

秘密をばらしちゃいけない、と映画の冒頭での注意があったのだけど、どこがその秘密なのかわからない。つか、結末を知るとがっかりするから、それも秘密なんだろうね。

でも、ヒロインのクセニア・ラパポルトは、哀しみをたたえた演技はとても素敵だった。しかし、体当たりの場面も数知れずで熱演だったよー。結構破綻しているヒロインの性格や言動も、彼女だから持ち超えたのだと思う。ホント、ヒロインの思考には首をかしげることがあったよ。なんか、モリコーネで上手く誤魔化された(笑)というか、助けられたところが多々あると思った。