なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

夜よ、こんにちは

2003年 イタリア 時間:105分 配給:ビターズエンド
監督:マルコ・ベロッキオ 出演:マヤ・サンサ/ルイジ・ロ・カーショ/ロベルト・ヘルリツカ他

KAVCにて鑑賞

1978年に実際に起きた事件を元にしている。世界的に左翼活動が活発だった時期ぽい。
「赤い旅団」の活動が、労働者層に支持されているのかと思えば、ドン引きされているのを見て、
「赤い旅団」のメンバーが揺らいだり、自分たちの言動がどう評価されているのか、こまめにチェックしている
彼らを青臭いよ、と思いつつ、自分たちを正当化するためにこの事件を起こすその直行ぶりが怖かった。
イデオロギーが第一じゃなくて、それを支持する自分たちを正当化させるための論理の展開などもそう。
ヒロインやメンバーの一人も、次第に違和感を覚えて揺らぎはするものの、直接的ではなくともこの事件の共犯者
でもある。何というか、イデオロギーに押し潰される感じがきつかったなぁ。
この事件の結末を観る側は知っているわけで、ヒロインが夢想するもうひとつの結末と現実の対比が
残酷だ。彼らと比べて、拉致されたモロ首相の揺らぎのなさといったら何なんだろう。
レジスタンスとパルチザンとテロリストの明確な区別がここではっきりと浮かび上がってくる。

彼と間逆の立場にある青年が大学で連行されていたのはどうしてなんだ?あのエレベータに乗っていたことが
疑われたのかな。

後は鳥かごから逃げ出したカナリア。それから、ヒロインの夢想が始まったと思うんだけど。
イタリア政府と赤い旅団とモロ首相の三者三様の立場から眺めていると、意味が違ってくるなぁ。

日本では、あまりこの事件の詳細を知る資料が少ないのが残念。
イタリア現代史とか探せばいいのか。
どの国も第2次世界大戦によって受けたダメージは測り知れないのだとも感じた。


首相暗殺―赤い旅団のテロルと闘った男の壮絶な日々

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