なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

読んだ

今日、文学賞メッタ斬り!you tubeチャンネルがあることを初めて知った。

 

*【BOOK】宇佐見りん くるまの娘 河出書房新社

くるまの娘

会話の端々から家族崩壊していることが、伝わってくる。この不穏な空気感を描けるってすごいなぁって思う。ひりひりした感じと、お互いが渇望しているものは同じはずなのに、お互いで埋めあえないっていうのが何とも救いがない。理屈じゃない家族の繋がりと言っていいのか、しがらみと言った方がいいのか、それを受け入れて、何とか前に足を進めようとする「かんこ」のひたむきな感じがたまらない。共依存とも言えなくもないけれど、でも親の弱さを受容するってなかなか出来ることじゃない。良いとか悪いとかの話ではない。「かんこ」の人の弱さを受け止める優しさって危うさも感じるんだけどね。

宇佐見りん、達者すぎる。読み終えると、この「かんこ」や父親や母親の圧倒的な負のオーラ、魂の叫びに圧倒されて、疲れが出るぐらいだ。でも、読みたくなる。意外と気が滅入ったときに読むと、現実世界のストレスを忘れさせてくれるかもしれない。