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どうってことない日々のあれこれ

春の雪

春の雪 [DVD]

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原作
豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

本当に原作を読んで作ったのかな。もしかして、あらすじ本を読んだだけじゃないのー。清顕には翳りもなく、あっけらかんとした顔つきなんだもんよ。聡子はどうしてあんなにもっさりしているのだろう。映像はとても美しいのだけど、原作の雰囲気とはかけ離れたもの。表層をなぞって物語りは進んでいくばかりで、2人の胸中はさっぱりわからず。終盤でやっと盛り返したと思ったら、あのエンディングはどういうことなのか。「豊暁の海」を全部読んでいないのだなぁとがっかり。あの最後に聡子が本多に言い放つ台詞がすっごく良いのにな。あれを読んでいたら、あの結末はありえない。で、最後に流れるのが宇多田ヒカルですか、そうですか。

若尾文子演じる尼僧と聡子の場面が三島的世界を醸し出していた。あそこが一番好きだな。さすがバロック建築だわ。