観た フリムンシスターズ
*【PLAY】フリムンシスターズ
作・演出 松尾スズキ
出演:長澤まさみ、秋山奈津子、阿部サダヲ、皆川猿時、栗原類、村杉蝉之介、池津祥子、猫背椿、オクイシュージ、片岡正二郎ほか
オリックス劇場 1階9列49番
大千秋楽。12/1,2の公演が中止になったときには、春の公演「もうがまんできない」に引き続き…とかよぎった。とにかく、この日を迎えられてよかった。
長澤まさみのボディが眩しいw そして存在が眩しいわ。
LGBTとか沖縄とか人種とかいろんな問題がこれでもか盛り込まれていて、松尾スズキの脚本はいつも消化できなくて、呆然としてしまう。何だったんだろう、何を言いたいのだろう、と思わせたいのか。よくわからないけれど、人は見えないところでいろんなモノを抱えて生きているんだろうなぁーと思いながら、観ていた。
笠松はるの演技、こわかったですw ほめてます。栗原類、がんばったねーと思った。上手いとか下手ではないの。
カーテンコールに松尾スズキ登場。ようこそお越し!
お芝居を普通に楽しみたいなー。
私、オリックス劇場になってから初めて訪れたけど(大阪厚生年金会館のときに来たことがある)、劇場感がないのと、座席の椅子をもうちょっと何とかしてほしいと思った。
非売品のコクーンプロダクションオリジナルトートバッグが欲しい。
あれ売れると思うのに。
読んだ
そういえば、韓国の人が書いた小説を読むのは初めてかも。
短編集だけど、どれも胸が締め付けられるような読後感なのに、読むのを止めることができない。韓国は私が想像する以上に閉鎖的で保守的なところのようだ。女性に人格がないかのような扱いを受けている場面に何度も出くわす。その息苦しさと、若さゆえに抗えないものに傷ついたり、相手を傷つけてしまう、育ちの違いから生ずる行き違いとかに答えの出ない悩みを抱え続けている登場人物のいずれかに自分を見つけてしまう人は少なからずいると思う。
作者の「まえがき」「あとがき」も印象に残った。次回作も読んでみたい。読後感は相気持ちが沈むけど、読んでみたい。
*【BOOK】ヨシタケシンスケ 欲が出ました 新潮社
癒されたいときは、ヨシタケシンスケだ。掛けてほしい言葉が出てくる。「心の軍手」は確かに欲しいかも。大人になるスキルは獲得するには時間が掛かりすぎるのよ。私も、されたことを忘れたかのようにふるまえる大人になりたい。かなりの上級レベルだと思うが、死ぬまでにそこまで到達できるのか。
観た
職場で流れているKiss FM KOBEで「風の教会」を見に行くツアーの告知を聞いて、即日予約をした。六甲ミーツアート芸術散歩開催中に併せて公開しているよう。
まずは、記念碑台へ
インスタレーション2点あり。青色が空の色、ピンクは紅葉の色が写っているらしい。光によっても変わって面白かった。
それから「風の教会」
六甲オリエンタルホテルは跡形もなかった!風の教会だけが残されている。不思議な光景。
この廊下も、コンクリート打ちっぱなしの教会も、いかにも「アンドウ」な感じ。あれ、水面に浮かんでいる十字架は?って思ったのは、「水の教会」と勘違いしていたのは、ここだけの話。相変わらず、ヒトの使い勝手を考えない建物ファーストっぷりに感動。挙式中にあの椅子に座るのは、かなりつらいかもしれない。
ここにも、インスタレーションあり。摩訶不思議な世界観。
ランチはコロナ対策の為か、おひとり様のテーブルが用意してあってよかった。ランチもボリューミーで、美味しかった。パンは今ひとつだったのだけが残念w
六甲枝垂れは見学せずに外観だけ眺めるだけw
六甲ガーデンテラスにもあるインスタレーションものぞいた。庭がきれいなところだった。
それから、六甲高山植物園へ。下界より早い紅葉を眺める。もうちょっと時間が欲しかったなぁ。広いんだもの。ツアー参加は、こういうところがツライね。
下山して、北野工房のまちへ。
建物は雰囲気があって良いのになぁ。なんかハンクラの即売とかできたらいいのに、と個人的に思う。雰囲気があって、5割増しに見えること間違いないと思うけど、どうでしょう?
読んだ
*【BOOK】中島たい子 かきあげ家族 光文社
なんか美味しそうなタイトルだと思って、直感的に選んだ1冊だったけど、面白かった!天ぷらには俗語として「得体が知れない」って意味があるらしくって、監督が「さしずめうちはかきあげ家族だ」みたいなことを言ったのね。それがタイトルになっている。ベテランコメディ映画監督が降板させられた映画が評判が良くてスランプ状態。そこから大事にしまいこんでいた巨匠の遺稿が行方不明に。子供たちはトランスジェンダーだったり、ひきこもりだったり、自分探し中だったり。妻は元女優だったけど、再起を果したり。とっても賑やかしいメンツが、監督の復活にあれこれと結果的に(笑)力を尽くしてく様子がいい。そんなに上手くいくわけないよと思うけれど、みんな違っていいじゃない。これ、映画にならないかなぁ。
*【BOOK】津村記久子 サキの忘れ物 新潮社
津村記久子の作品は、私の精神安定剤と言っても言い過ぎではない。
感想は後日。
この小説を何も知らずに読んだら、ありえないけど面白いなって思うけど、中島らもが父親であることを知ってしまうとなぁ…あの話はホントだったんだーと妙に納得させられる。
永遠に続きそうな夏休みの冒険談を読んでいる感じです。根無し草の人たちが集まって、また去っていく。お父さんは旅に出ている。お母さんは入院中。おばあさまは山の手でハイソな生活を送っている。みんなどこか歪つな感じだけど、愛情がないわけではない。表現が歪なだけで。主人公の明日美はこの日常に馴染んでいるふうで、時折見せる狂気が怖いよ。一番ファンキーなのは、明日美だから!
なんだか「どんぶり5656」を見たくなった。再放送してくれないかな。
観た なぜ君は総理大臣になれないのか
今日も、塚口サンサン劇場へ。財布を忘れてきたのに気付いたのは、下車寸前。何と言うことでしょう。カードがあったので、良かったけど…
*【MOVIE】なぜ君は総理大臣になれないのか
2020年 日本 時間:116分
監督:大島 新 出演:小川淳也
とても刺激的なタイトル。小川淳也議員は、現在立憲民主党所属。そりゃ総理大臣になれないよねって思うでしょ?それが観ていくうちに、この人に政治を任せてみたら、どうなるんだろうという期待を抱かせる。そして、彼が総理になれるには、何が欠けているのだろう、と考えてしまう。そして、後半から涙が止まらない。そんなつもりで観たわけじゃないのにな…
そんな気持ちにさせられるのは、この作品の撮影期間が17年という長いスパンで撮られていることも大きいと思う。小川議員が初めての出馬で落選から始まって、初当選の時の意気込み。党内での立ち位置や民主党の解体から立憲民主党へそして希望の党への合流、そして希望の党の解党で無所属からの立憲民主党への復党。そこで、自分の信条とは別のところで派閥の人間関係によるしがらみで悩む、考えるの繰り返し。17年間で、最初の希望に満ちた表情よりも、苦悩する表情が増えてくる。それは国会議員になって、政治を変えるという意気込みとは別次元の悩みでもある。大人の事情ってやつである。それでも、信念を曲げずに貫き通そうとしている議員がいる、そのことに政治に希望を託してもいいのではないのか、と思う。だから、私たちは安易な気持ちで一票を投じることはできないのだ、と改めて思った。自分に投じられた票の重みと他の候補者に投じられた票の重みをどのように受け止められるのか、彼の発言に、民主主義は、多数決で決めるだけのものじゃないという至極真っ当なことに改めて気づかされた。
それから、彼を取り巻く家族や秘書や後援会の人たち。17年の年月がそうさせるのか、カメラを回っているのわかってますかー?というぐらい、結構ざっくばらんな発言をしているのが興味深い。もしからしたら、それぐらい選挙運動は過酷なのか…ただ、彼の周囲の人たちが、彼の熱い思いが報われるようにと力を尽くしている姿に感動した。だって、この選挙区、対立候補は地元新聞社の一族で三世議員で自民党所属。ネガティブキャンペーンもできるよ!圧倒的に強いのが火を見るのに明らかなのに、それでもずっと戦わないといけない…なので、選挙区で当選したのは1回、後は比例代表で復活当選を果たしている。で、比例代表の当選回数は、選挙区の当選回数により、党内の立場が弱くなるらしいです。知らなかった!選挙には奥様と一緒に娘さんまで「たすき」を掛けて、自転車を漕いでみたり、商店街を歩いてみたり、電話を有権者にかけて観たり、その姿にも心を打たれる。私は、そういう同情票狙いみたいなのはどうなのよって思うけれど、商店街のおじさんなんかは「家族でがんばっているのがいいよ」みたいなリアクション。そうじゃなくて、彼の政策とか信条とかに興味を持ってあげてよ、と思う。でも、今の選挙制度では、そこまで精査できる期間もない、とりあえず名前を覚えてもらえることが始めなきゃいけないのが、もどかしいなと思う。選挙公報も、投票日数日前に届くのも何なんだよって思う。(私は期日前投票派なので、困るんですよ。)
彼の香川での住まいが4万7千円のアパートってのも驚きです。清貧!杉村太蔵がテレビで話していたけれど、落選議員のなかには、生活保護を受けている人が少なからずいるとか。選挙ってお金が掛かるんだなぁ。そりゃ、あれだけ人を動かしての選挙活動だもの。スマイル赤坂は凄いな!それでも、政治を変えたい気持ちを持ち続けているなら、応援したいと思ってしまうではないか。彼以外にもそういう志がある議員や議員候補がいるはずなんだろうと信じたい。人を信じたいと久しぶりに思いました。
映画を観て改めて思うのは、小池百合子の破壊力。希望の党、での「排除宣言」から解党までの動きを見ていて、えぐいことするよなと思っていたけれど、彼女はそこにいろんな人たちに影響を及ぼしたことを考えたことがあるのだろうか。小川議員と対極だよな。あの人は、何を目指しているんだろうか。政治の世界で生きていくのは、こんな老獪な手段を使わなくても、やっていけることを示してほしい、誰か。
観た 愛国者に気をつけろ!鈴木邦男
元町映画館のラインナップは、興味をそそられるのだけど、見逃してしまうことが多い。この前日までに上映していた「なぜ君は総理大臣になれないのか」もそう。「はちどり」もそう。そして、塚口サンサン劇場は、そんな私の受け皿的存在。今度こそ見逃すまいと思う。
*2019年 日本 時間:84分
監督:中村真夕 出演:鈴木邦男、雨宮処凜、蓮池透、上祐史浩ほか
20年以上前に「サイキック青年団」というラジオ番組があってですね、まぁ平たく言うなら、ゲスな番組だったのですが、何故か鈴木邦男氏がゲストに呼ばれていて、びっくりしたのですよ。右翼の大物らしいのに、ひょうひょうと会話を交わしていたので、記憶に残っていました。私の中での右翼といえば、街宣車で軍歌を大音量で流していて、よくよく聞けば意味不明なことをがなりたてている人たちというかなり間違ったイメージを持っていた時期だったのですね。今でも、あの人たちの存在は謎です。
それはともかく、彼の政治活動の葛藤を繰り返してきたなかで、いろんな人に直接会いに行き、話を聞く、相手の主張を否定せず、理解しようとする姿勢はこれは民主主義の体現化ではないのかと思いました。理解することと共感することは別の話であって、それに対しての線引きができるのは、自分自身が確固たる信条や信念を持っているからではないのかしら。なかなか、そういう成熟した大人っていないよなぁ。私も含めて。それが今の同調圧力が強い空気のなかで、癒しととらえる人もいるでしょう。上祐氏と徐氏(オウム真理教幹部を刺殺した実行犯)を引き合わせたりってこともされていたり、三浦和義氏とも面識あったり、フィールド広すぎる。
ただ、大勢の人に囲まれているけれど、鈴木氏はとても孤独なのではないのかとも思った。彼の思想を正しく理解し、共感できる人はどれだけいるんだろう。余計なお世話ですが…彼は、それすら受け入れているのだろうなぁ。84分は、彼を知ろうとするには短すぎる。
余談ですが、彼の対談相手に康芳夫氏が登場していて、びっくり。生きていたのか…家畜人ヤプーねぇ。オリバー君来日とか懐かしすぎる。いろんな人がいていいってことですかね。