なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

読んだ

*[BOOK]村田 沙耶香 地球星人 新潮社 

地球星人

コンビニ人間」は、面白かった。「地球星人」も、似たようなテイストかと思いきや、予想を遙かに超えた結末に唖然とした。えらいもの読んじゃったなぁ。平成の終わりに。でも、嫌いじゃないです。

主人公奈月の子供時代に味わった体験や家族関係は、成人になっても、影を落とすことは、たやすく想像がつく。それでも、奈月は、工場の規格品として生きるべく、偽装婚までして、生き延びようとしている。そこから、ポハピピンポボピア星人としての覚醒していく過程が、どこでスイッチが入ったのか、わからない。ただ、地球星人として生きていくのは、耐えがたかったことは、理解できる。どこから現実世界で、どこから仮想世界かは、わからない。奈月たちが選んだのは、自分が生き延びるための手段である。

この彼らの世界観を異常だと切り捨てられる人は、幸せな人たちなんだと思う。