なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

池井戸潤 オレたち花のバブル組 文藝春秋

オレたち花のバブル組

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前記の続編です。前のエンディングで出向の打診を受けた半沢の同期近藤が出向先でいびられつつ、鬱病の再発におびえながらも、融資の流れに疑問を抱き、二重帳簿のからくりを見破って、忘れていたバンカーの血が騒ぎ出すってサイドストーリーもありつつ、半沢がまたもやホテルの融資でまたもや責任を押し付けられそうになる。どーすんのよ。とワクワクします。だって、半沢なら解決できるでしょうよ?って期待値高いし。近藤の出向先の経理に実態がどこで半沢が持たされた融資の案件とつながるのかが面白かったです。今度は金融庁(しかも、カリヤザキぽいキャラ)も絡んできますよ。ホント、あの人たちの態度ってむかつくんだよなぁとここらへんでも溜飲を下げる思い。あーなんか事件は現場で起こっているんだ的な展開なんだが、今回ばかりは半沢も少し分が悪かった。近藤の自分の去就を決める決断は、苦渋の選択だと思う。その心情が手に取るようにわかってしまう。あそこできっぱり断れたら、ドラマとしては大盛り上がりで厚い同期の絆に涙するところだけどね。やはりバンカーらしい選択かもしれない。今回は後味悪いよねー。これが3作目への伏線となるなら許せるが、これで完結だったらちょっとがっかりかも。
しかし、組織の中で働くことは大なり小なりこんなことが起こりうるんだろう事例が今回も沢山あった。