なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

池井戸潤 オレたちバブル入行組 文藝春秋

オレたちバブル入行組

オレたちバブル入行組

バブル入行組って、一見よさげな響きだけども、実際仕事を任せられる時にはその後始末に奔走する一番損な役回りのような気がする。その後がイケイケなのかっていえば、そうでもないし、むしろもっと厳しい状況に置かれている。で、上司の保身や新しい赴任先になじめずに出世路線から外れそうな人もいて、何とか踏みとどまっている人もいる。その岐路に立たされている世代が主人公たちなわけです。
融資の実行をした直後に倒産した取引先の案件の不始末を上司に押し付けられそうになった半沢が、この融資の案件を遡っていくうちに真実を突き止めていき、反撃に出るところが快哉を叫びたくなる思いです。入行時には色んな夢や野望を持って入ったはずの彼らが、思うような職務につけず、むしろ、遠くなる一方の中で、自分の正当性を主張して通すと同時に、同期の仇も討つって浪花節もたまらない。ミステリーのカテゴリに入っているようだけど、リーマン小説のほうがしっくりくると思う。読めば、こんな人いるよねって嫌な上司、同僚が必ず見つけられるはずです。銀行の仕事の流れもわかって勉強になるなぁw。