ラスト、コーション
2007年 米・中・台・香港 時間:158分 配給:ワイズポリシー
監督:アン・リー 出演:トニー・レオン/ワン・リーホン/ラン・ウェイ他
- 作者: アイリーン・チャン,南雲智
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫
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シネ・リーブル神戸にて
若気の至りがテーマなんだったっけw
香港で学生運動を始めた大学生の青臭い正義感と、それを上手く利用する大人の狡猾さがやけに印象に残る。大学生グループの妙な生真面目さが真剣であるが故の行動だと思うんだが、滑稽に思えて失笑をこぼしてしまうのだ。ヒロインが初めての相手を選ぶときが象徴的。それがラストにつながるんだけどさ。当然、あなたが名乗るべきでしょ?って人の選択が、全て悪い方向へ持っていく羽目になるのも凄いが、それを恨まないヒロインもどうなんだろう。よく思い出してみれば、あんまりヒロインの心情が見えるようなシーンはなかったように思うんだけど。
ヒロインの色仕掛けのターゲットになるイーにしても同じか。同胞を裏切る行為を重ねているわけで、成果を要求される任務での緊張感とストレスは想像を絶するものだと思うので、ヒロインとの行為はその反動なんだろうとは思うんだけど、つかお互いが色に溺れた共通項って現実逃避な意味合いがあるはず。ヒロインを仕事場の近くまで同情させるイーがきっと拷問風景を見せるに違いないと思ったのに、ただ外で待たせるなんてわからない。残虐シーンは中国のお手の物じゃないのかと肩透かし感があった。
全編の風景から小物に至るまで神経が行き届いているわと思っていたのに、肝心の主要人物の描写が稀薄で印象に残らなかった。この尺の長さの割りにストーリーが薄い。もっと濃厚なものを期待しすぎた私が間違いだったのか。やはり、大学生リーダーの彼のへタレ加減しか私には残らない。彼の心情がもちっと描かれていたら、ヒロインも救われるんじゃないかなぁ。と思うが、自業自得か。