なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

劇団ダンダンブエノ 双六公演 砂利

作:本谷有希子 演出:倉持裕
出演:坂東三津五郎/田中美里/片桐はいり/酒井敏也/山西惇/近藤芳正

兵庫県立芸術文化センター 中ホール 1階G列27番 ソワレ

小劇場系の芝居にしては年齢層が高いと思ったが、芸文センターの客層はいつも微妙なので気にしなかった。
三津五郎ファンの方たちだったのか。スウェット姿の三津五郎はお気に召したのか。
本谷有希子の戯曲は初めて、坂東三津五郎が小劇場系の芝居に出るなんて意外、ダンダンブエノの芝居はなかなか機会が
合わずにようやく念願かなって見ることができたけど、このメンバーでどうなるのって少し構えて観劇(笑)

三津五郎演じる蓮見田は昔いじめた相手からの復讐を恐れているようにもみえて、
待ち望んでいるようにも見られる。そこから、不条理劇なの?と思っていたら、そこから蓮見田を巡る人たちから
ことの真相が見えてくるんだけど、蓮見田の抱えている欠乏感というのも理解できるし、蓮見田に同調しすぎて、彼以上に
追い詰められていく有里の心理も分かる。蓮見田の弟の思いや、常に箱を持っていて、隠し場所を探し求めている小森橋や、
他人を観察して面白がっているが、自分自身が当事者になりたいと切望する戸所にも共感できる。あれ、案外、普遍的な
テーマだったのねと、意外な肩透かし感を味わった。もっと、エキセントリックな芝居だと思い込んでいたものだが、これは演出が本谷有希子じゃないからか。三津五郎のキャラにあわせた芝居なのか。

三津五郎が浮くんじゃないかと思っていたが、案外はまっていたように思ったが、田中美里が頑張っているんだけど、
始終妙に浮いちゃっていたのが残念。片桐はいりが出てくると、ようやく締まってきたので安心した。片桐はいりがいると
何故だか私はとても安心してしまうのだ。彼女演じる際の「テンション下がってしまうぐらいの普通さ」がこの芝居の中で
不思議な不安定さを醸しだすのが面白かった。

次回公演のゲストは南野陽子だ。なんか観るのが怖いような面白いような!