クィーン
2006年 英・仏・伊 時間:104分 配給:エイベックス
監督:スティーヴン・フリアーズ 出演: ヘレン・ミレン/マイケル・シーン/ジェイムズ・クロムウェル他
シネ・リーブル神戸にて鑑賞
ノベライズ
- 作者: 田浦智美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/04/14
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
タイトルは「クィーン」だけど、ブレアが悪目立ち過ぎて、どうもしっくりきません。
先日、卜部侍従日記の抜粋を読んだばかりなので、昭和天皇の職務に対する意識や高齢になってからの祭祀の行う苦労と、現在の女王の年齢と重なる部分があった。周囲に人がいても、孤独の深さは変わらず、責任の重さを軽くしてくれる人もいないのだもの。フィリップ殿下も能天気そうだし、チャールズ皇太子は何か日和見っぽいしなぁ、この人が国王になって大丈夫なんだろうかなぁーとか不安になりましたよ。よその国ことながら。でも、皇太子妃にはどこも苦労させられるのねーとご同情申し上げたくなる。ダイアナ元皇太子妃の事故死は何だかドラマティックではあったけれど、イギリス国民の悲しみ方はかなり過剰というか何だか集団ヒステリぽくって、私は恐怖すら感じた。だからこそ、あのときに何も声明を出さなかった英国王室はそれは道理が通っていて、毅然とした態度で正しいと思ったが。でもさ、ブレアだけが女王の苦悩を理解して、助けの手を差し伸べるという立場にあったってのが、どうもなぁーって感じでもやもやした物が残る。
実際に王室の日常を調べたのかどうかわかりませんが、女王が領地内とはいえ、レンジローバーを運転して気晴らしに出かけるってかっこよすぎじゃないっすか?あと、いかにも英国王室ぽい保守的で上質なファッションも素敵だったなぁ。
一番好きなのは、哀しみにくれる女王が振り返ったときに見つけた鹿に語りかける場面とその後姿を変えた鹿に再会する場面だ。あのときに鹿に託した思いを考えると、胸が詰まるなぁ。
あと、ブレア夫人はそっくりだー。つか、キャスティングは完璧じゃないかしら?チャールズ以外は、でも容貌は似ていないけど、ちょっと浅慮そうな様子は似ているかもしれない。
でも、特に目新しいストーリーではないし、何で映画なんだろう?と思いました。テレビで番組改変時期に2時間スペシャルで放送すれば十分な内容だと思った。ヘレン・ミレンじゃなかったら、もっとつまらないことになっていたかも。エリザベス女王がどういう雰囲気な人なのかもわからないので、その再現性はいかほどのものかわからないのだけど、全身に神経の行き届いた隙のない芝居をする方だと思いました。ちょっとした仕草で感情が伝わるんだもの。
昭和天皇最後の側近 卜部亮吾侍従日記 第3巻 昭和62年~昭和63年
- 作者: 卜部亮吾,御厨貴/岩井克己
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/05/08
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (5件) を見る