なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

明日へのチケット

2004年 英・伊 時間:110分 配給:シネカノン 
共同監督:エルマンノ・オルミ/アッバス・キアロスタミ/ケン・ローチ
出演:カルロ・デッテ・ピアーネ/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/シルビア・ドゥ・サンティス他

シネカノン神戸にて鑑賞

これはオムニバスとは違うのかなぁ?よくわからないけれど、それぞれどこかでリンクしているから違うのかしら?3人の監督が個性がはっきり出ていて観ていて楽しいので、問題ないし。
電車の旅といっても、ヨーロッパだから長距離にも程があるよ。何カ国も通過するわけだし、それぞれの文化も垣間見れるので興味深い。
最初の製薬会社の秘書への淡い思いを楽しむ老教授。車中で非日常への憧れを楽しんで、孫が待っているおじいちゃんの顔になる。そして、さりげない気配りに彼自身はもちろん、車中の人達が全て安堵する。スマートだ。
2番目のイタリア青年。兵役免除のために将軍未亡人の旅のお供。それってどうなんだろう。イタリアでの将軍の地位というものがわからないので、何ともいえないんだけど。で、未亡人はすんごく嫌なわからず屋の頑固ばあさんなわけよ。何が何でも我を通すのよ。でも、結構男性はばあさんに寛容だ。イタリアだからか(笑)とはいえ、既にグロッキー気味な彼が偶然車中で知り合った少女と会話。その会話の内容が意味深だけど、何が彼の気持ちを返させたのかは謎。ホームで置いてきぼりの彼女にちょっと溜飲を下げてみる。
3番目のスコットランドのサッカー好き青年3人組。多分、この3組の中で一番の長旅。ホントに普通ぐらい普通でスーパーに勤めていて、サッカーが好きでって、気のいい感じだけど、多分これからも出世なんか望めそうもない(笑)この3人が、車中で知り合った移民家族に対して取った行動が、何と言うか、その葛藤振りも含めて、きわめて善良な市民的で共感する。でも、それだけで終わらないのが良いなぁ。兄ちゃん、やるやん!って爽快な気持ち。見事に旅の終わりを締めくくる。そこには、これから何かが始まる人もいるわけで、人の数だけドラマはあるんだなぁーとしみじみと感じられた。