なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

有川浩 図書館戦争 メディアワークス

図書館戦争

図書館戦争

噂に違わず、面白かったですよ。冒頭に日本図書館協会総会決議文が掲載されているので、おぉーちゃんと勉強されているんだなぁーと当たり前っちゃー当たり前の話なんだけど、あの文章を初めて読んだときに私もちょっと感動したもので、そこに食いついてきた人がいたってことがとても嬉しかったりしますよ。憲法前文みたいに、理想主義だと思う人もいるかもしれないけれど、現在の図書館を取り巻く環境は、個人情報法とかの絡みもあって、かなり慎重な議論を重ねて、在り方を考えなくてはいけないことになっている。そんなタイミングでこの小説がババン!と登場したわけで、タイミングが良いですねー。日本図書館協会は推薦文を寄せてもいいかもしれない(笑)

メディア良化委員会は武力を持つ検閲部隊(国家権力)で図書館防衛部隊(多分、地方自治体だよね)という構図もわかりやすいし、近未来の設定なのに図書は紙媒体のままなのでいいのかしら、と突っ込みつつ、読んでいくとのめり込んでしまうのは、いろんなジャンルの美味しいところを凝縮して入っているからかも。主人公で、しずちゃん級なのに乙女なハートの持ち主の笠原郁の成長物語でもあり、恋愛話でもあるのが一番の魅力かなぁ。そのストレートさ故に、いろんな問題も強引にクリアさせていくパワーというか、突っ込みを入れる隙を与えさせない強引さが、とても気持ち良い。これが、エンタメ系というものなのねー。彼女の周りにいる人達のキャラ設定も心憎いばかりです。

当然、次の「図書館内乱」もリクエストしました。

図書館内乱

図書館内乱