なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

2005年 韓国 時間:90分 配給:ハピネット
監督:キム・ギドク 出演:チョン・ソンファン/ハン・ヨルム

シネカノン神戸にて鑑賞

海に浮かぶ船の上で暮らす老人と少女。少女が17歳になったら結婚することを心待ちにする老人。
17歳って年齢には何か意味があるのかな。反道徳的な生き方であるはずなのに、すごく不思議。
老人と少女は台詞がないのに、それぞれの心の動き、揺らぎを表すにはかえって言葉は邪魔であるのではないかと思えるほど。
特に少女の視線の妖しさや無邪気さには、見ているほうもどぎまぎしてしまうほど。恐ろしい子
「悪い男」の舞台を「春夏秋冬そして春」に移して、暴力性を濾過しているけれど、老人の奥にある欲望が透けて見えるのが逆に生々しく思える。何か、性質の悪さが倍増しているよーって感じ。
エンディングはえらくあっさりしているのねと思ったら、そんなことはあるはずはなく、やっぱりキム・ギドクだった。目的のためには
手段を選ばない。というか、何があろうと、本懐は遂げるというしつこさ。それを美しい寓話仕立てに仕上げるって、ホントに嫌なヤツですね。
あの少女は陸に上がって、適応できるんだろうか。

こういうタイプの作品はフランス辺りで受けそうな気がする。何となく。