なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

恩田陸 チョコレートコスモス 毎日新聞社

チョコレートコスモス

チョコレートコスモス

大学の演劇サークルが舞台。小劇場の芝居が好きな人は食いつきがいいかも。
最近、お芝居が観たいなと切実思っていたので、もうこの世界に入り込んでしまった。
著者本人が「ガラスの仮面」へのオマージュを公言しているらしいのだけど、ホントにその世界が
小説で再現されているよ。天性の勘で演じきってしまう大学生が芝居そのものに目覚めるところや、
長い間芸能界で華やかなスポットを浴びてきた女優の女優魂に再び火をつけ、その2人がオーディションとはいえ、
舞台の上で対決するところは、本当にその場に立ち会っているような錯覚をさせるほど。
彼女を芝居の深みへと送り込む劇団員たちは綾小路くんですか(笑)恋愛の要素は全くなしですが。
ただ、劇中劇と言っても良いぐらい芝居の場面は本当に熱くさせるのだけど、本筋そのものは
ちょっとありきたりな展開になっているのが残念だなぁ。
本当の阿修羅はこれから始まるのに。
続編があるなら「紅天女」を杮落としの演目に選ぶところから初めて欲しい。

ガラスの仮面 (第42巻) (花とゆめCOMICS)