なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

初恋

2006年 日本 配給:ギャガコミュニケーションズ 時間:114分
監督:塙幸成 出演:宮崎あおい/小出恵介/宮崎将
原作:

初恋

初恋

シネカノン神戸にて鑑賞

「わたしは3億円事件の実行犯だと思う」観終わった後に納得。最初からエクスキューズしてあるんだから。
でも、とてももやもやした気持ちにさせられた。この中の登場人物に誰一人して共感できなかったから。
岸は明らかにお坊ちゃまだし、みすずは家族には恵まれていないけれど、当時としては結構恵まれていた方じゃないのかなぁ。とうわけで、お坊ちゃまとお嬢さんの感傷的な恋愛としか受け止められなかったんだよねぇ。つか、ジャズ喫茶で本を読む男ってのが気に入らないんですけど。そんな人たちが反体制側に向かうってのが、説得力に欠けるというのか、所詮時代の熱気に浮かされた浅はかさを感じるのよね。だからこそ、実行できた犯罪といえばそうかもしれない。一見緻密そうに立てられた計画だけど、実は穴だらけっぽい。それが完全犯罪として成立したのは、結局岸の境遇だといえば、それはありえない話ではないかもねって感じ。原作を読んでいないのでわからないけれど、肝心な部分は描いてないんだよね。犯行部分に限らず、ジャズ喫茶でたむろしている仲間たちの関係もそう。何もかもがもやーっとしているのね。
「3億円事件の真相を聞かせてもらおうじゃないの」って意気込みで観たので、とてもがっかりしたよ。ただ、宮崎あおいが熱演しているのを見るのは悪くないかな。なんか、ひたむきなところが良かったよ。でも、あんな可愛い白バイ警官だと、男性だと思えないよ。だから、実際のみすずは、もっとごつかったんじゃないかなぁ、とは思った。
脳内ファンタジーだと思えば悪くないかも。とりあえず、60年後半がどんな状況だったかを知らないと、さっぱりわからない人が出てくるような感じがする。「3億円事件って何なん?」って話している女の子たちがいたけど、それぐらいのノリで見たほうが良かったのかな。
結局、宮崎あおいでギリギリ成立している感じでしたよ。