なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

恒川光太郎 夜市 角川書店

夜市

夜市

「夜市」結末に驚愕。あぁ、そういえばこれはホラー大賞作品だったわね、と思い出す。夜市で売った弟を兄が取り戻そうとする設定自体はありがちだと思うのですよ。ただ、その時間をお互いがどうやって過ごして、どうやって自分の世界を取り戻そうとするか、の描き方とか結末の付け方が新鮮だった。
「風の古道」こっちのほうが好きかも。こちらも異次元の世界に入ったものの、抜け出せなくなった少年たちの話。確かに異世界には異世界のルールがあるのだわ。どちらも自分が他者に抱いた願いや思いや遂げようとする(した)けれど、その結果が思惑通りに行かなかった哀しみがあふれている。
なんか、「ゲゲゲの鬼太郎」を思い出した。そんな感じ。
最近のホラー大賞は侮れない。