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どうってことない日々のあれこれ

風の前奏曲

2004年 タイ 時間:106分 配給:東宝東和
監督:イッティスーントーン・ウィチャイラック
出演:アドゥン・ドゥンヤラット/アヌチット・サパンポン/アラティー・タンマハープラーン他
シネ・リーブル神戸にて鑑賞

風の前奏曲

風の前奏曲

タイで国民的なラナート奏者ソーンの生涯を描いた作品「ラナート」という楽器に興味があって観た。どうしてだか、とても懐かしさを感じた。映画の作りもとってもわかりやすいです。ライバル奏者の楽団は黒服、主人公には白服の対比とか。ここぞというときには、ババンと音楽挿入とか。
脚本は随分大雑把で、エピソードが上手く繋がらず散漫な印象もある。それは、タイではとても有名な人が主人公で言わずもがなってこともあるかもしれない。ただ、それを補って余りあるものがこの作品にはあると思える。

ライバル同士のラナート合戦はかなりの迫力だった。音楽でここまで盛り上げられるのか、盛り上がるものかと驚嘆しつつ見入ってしまった。その奏法がどれだけのものか、わからないのが残念だけども。あとは、一目ボレした女性を見つめながらソーを演奏する場面、息子が購入したピアノを弾かせて、それに合わせてラナートを奏でる場面はとても美しく印象に残った。音楽映画としては愉しめるものになっているんじゃないかと思う。

日本では民族楽器の演奏を禁止する悪法はなかったけれど、同じように西洋音楽に押されて、邦楽が衰退したり、音楽に限らず、西洋文化を積極的に受け入れているけれど、最近になって昔の生活や文化が見直されてきつつあるような傾向がアジアの国々にも出てきているのだなぁと感じた。自国の文化を卑下するような法律を考えるなんて、とんでもないよねー。