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どうってことない日々のあれこれ

母・肝っ玉とその子供たち 三十年戦争年代記

原作:ベルトルト・ブレヒト
演出:栗山民也
出演:大竹しのぶ/中村美貴/粟野史浩/永山たかし

兵庫県立芸術文化センター中ホール 1階J列17番にて鑑賞


あのナレーションは30年戦争という異常な事態を知らせるために必要なものなのだったのかな。
ホントに時間の感覚がなくなってくる。私達にとっての非日常が日常であった時代、価値観とか道徳とか全てが覆されている時代。肝っ玉と呼ばれた母の価値観も一見ブレがなさそうだけど、実際は時代の流れに翻弄されている。ただ独特の嗅覚で子供たちを守ろうとするけれど、子供たちは自分たちの判断を見誤ってまう。その結果がもたらすものは苛酷。何が凄いって、この芝居の中身をきちんと自分のものにしてしまった大竹しのぶですよ。そして、瑞々しい印象を受けた中村美貴とか役者の力量が存分生かされていると感じた。

あと、舞台を随分窮屈に使うのねーと思っていたら、ラストで納得。素晴らしい。なんか、神経が隅々まで行き届いた舞台だったよ。終わった後、呆然。しのぶに精気を吸い取られた気分(爆)

肝っ玉おっ母とその子どもたち (岩波文庫)

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