なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

 佐野眞一 遠い「山びこ」

遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年 (新潮文庫)

遠い「山びこ」―無着成恭と教え子たちの四十年 (新潮文庫)

無着成恭は「子ども電話相談室」の名物回答者としてしか知らなかったのだけど、ここに至る道筋は戦後の日本の辿ってきた道となぞらえているみると、教育は経済とは必ずしも無関係ではいないのだなぁと思った。今も学校教育の在り方は議論してもし尽くされないことだけど、1つの作文教育の成功例としてブームを巻き起こして、その後の批判の矢面に立たされていくところは、田舎の一教師としては手におえない動きだったろうと思う。そして、教え子達のその後の生き方を知るにつけ、教師が生徒に及ぼした影響力は良くも悪くも強いなぁと思った。それにしても、著者の熱い思いが溢れんばかりの1冊です。