なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

ねじめ正一 出もどり家族 光文社文庫 

出もどり家族 (光文社文庫)

出もどり家族 (光文社文庫)

民芸店主のネジメは色んな問題を抱えている。妻の両親の借金問題、娘の妊娠疑惑、息子のプータロー、そして自身の不倫などなど。結構重たい問題とは思うけれど、飄々とした調子で物語は進んでいく。なぜなら、ネジメは深く考えていないから(爆)不倫相手には結局だまされてしまうわけだけど(酔っ払っては粗相する女と付き合えるって在る意味凄い)、あまり深く思わず、当たり屋紛いのことをした女の子に同情してしまい、自分の実家を騙してお金を工面して、いっしょに屋久島へ行ってしまう。そして、1年以上家族と音信不通になってしまう。

どうなんだろう?男の見栄でとんでもないことをしているのに、本人にあんまり自覚がないんだよなぁ。同性から見たら憧れてしまうかしらん?その挙句はあっけらかんと家に戻ってしまうんだよ、ネジメはー。サラ金で借りたお金は一体誰が返済したんだろうか。そこんとこ、わかってんのって感じ。と思ったら、著者あとがきで「50歳男特有のどっちつかずのふわふわした気分を小説にしてみたいと思って書いた小説」と書かれていた。なるほど、じゃ、男って一生ふわふわしてんのか(笑)でも、なんか憎めないねー。

「続編を書かねばなるまい」と書かれてもいるので、是非書いて欲しいもんです。だって、このまんまじゃ奥さんがかわいそすぎるー。ぎゃふんと言わして欲しいな。でも、ふわふわ男の書く小説だから、やっぱりこの調子なのかも(笑)でも楽しみに待ってます。