鈍獣
脚本:宮藤官九郎 演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久・池田成志・古田新太・西田尚美・乙葉・野波麻帆
新神戸オリエンタル劇場 9・11マチネ M列4番
1幕はクドカンお得意の小ネタギャク満載で笑わせてもらった。特に古田新太演じる江田さんは、スーフリ和田サンテイストの歌と踊りを披露してたしー、あとスナック保険金殺人のマスター達も入っていたし。このまま、コメディで終わるのかなと思っていたら、2幕はホラーに変っていた。池田成志演じる凸山さんが終盤近づくに連れて恐怖を煽る。
宮藤官九郎の脚本はストーリーにきっちり決着をつけないというか、ノリで観ておかないとつまらないところがあるのはわかっているけれど(深く考えずに楽しむのが一番正しいのかもしれないけど)、凸山さんの設定が無理があるんじゃないのかと思う。これ、もしかしてストーリーが破綻してんじゃないのかなぁと2幕中盤で思い、最後にはやっぱりわからん、凸山さんて同一人物?違うよな?と混乱してしまった。今も良くわかってないけども。こういうコメディホラーだと、中島らもの「こどもの一生」が印象に残っているけど、このメンツであの芝居をやってくれないだろうかと切に思った。でも、男優3人ユニットでの芝居で選んだ設定だから、これを演じる事に意味があるんだろうな。
乙葉が思っていたよりも良かった。かわいくて、あほっぽいけど、実は強かな女の子ってのがイメージとあっていた。脚本は当て書きで書かれているので救われているところも大きいかも。だって、クドカンってグラビア好きだし(爆)西田尚美や野波真帆はかなり芝居に占める役割が大きい分だけ厳しかったろうと思う。よくこの芝居についていけたなぁと感心したけど、芝居を盛り上げるところまではいかなかった。この芝居を観て、役者が変ればまたグンと変ってくるだろうなとチラッと思ったもの。
この芝居は舞台側から見て右端の席で観劇した人はいささか不満が残ったんじゃないか。他のお客サンがむっちゃ大受けしているのに、それが見えないなんて最悪ですよ。直接芝居の本筋とは関係ないから良いようなものの。もっと隅々まで配慮をしてほしい。