なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

山田宗樹 嫌われ松子の一生 幻冬舎

嫌われ松子の一生 ISBN:4344002857
美しい中学教師松子がぼろアパートで変死するまでの足跡を甥っ子がたどるストーリー。
ほんのちょっとの間違いから転落していくことはあるんだろうと思いつつ、松子の考えなしの言動には浅はかさを感じる。なんつーか、不幸を呼び寄せるのか呼び寄せられる人っているけど、あれって本人によるところが大きいのかも。それの原因にあげられるのが体の弱い妹に父が愛情を向けるので認めてもらいたい一心で親が進める進学や就職をしたのに関心を向けてもらえなかったというのも、幼すぎる。家を出奔してからも、結局は男に尽くした挙句にボロボロになるパターンを繰り返すが、非は全て男があるように思っている節もあるし、家族を恨んだりする。人生の最後にようやく自分の手で道を開いていこうとするけれど(これも結局人の手を借りるようなもんだけど)そこで閉ざされる。甥は彼女に同情的だけど、甥の父親で松子の弟にしてみたら、どうしようもない姉に違いないよ。なので、松子がそれなりに一生懸命に生きていたとしても同情はできないなと、呆れ半分で読んだ。