なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

 小野不由美 くらのかみ 講談社

くらのかみ (ミステリーランド)ISBN:4062705648

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ミステリーランドの第1回配本。表紙と挿絵が村上勉なのが、懐かしさを覚える。装丁もなかなか凝ってる。

夏休みに財産相続の話し合いで呼び出された親戚達。子ども達はそこで「座敷わらし」と「行者のたたり」の話を知る。4人ゲームで遊んだら、1人増えていた。一体誰なんだろう?それから、いろいろ不審なことが起きて、ちびっこ探偵が大活躍という展開。

夏休み、本家、井戸、沼ってそれだけでワクワクさせるアイテムがいっぱい。忘れていた夏休みの記憶が呼び起こされる感じ。

これが大人向けの小説であるなら、泥沼化した展開がお約束なんだろうけど、やはりコンセプト通りに少年少女のための配慮なのか、大人の事情はあまり詳しくは説明されない。それはそれで読みたいような気もする。そして謎解きもかなり夢のあるものなのだけど、これは子どもが読むのには人間関係がかなり複雑かも。実は、私がわかりにくいなぁーと思ったものだから、でも、ちゃんと家系図や時系列の説明図も用意されていて、そこらへんの心配りは行き届いているのが、流石だなぁーと感心してしまった。他の配本も同じような感じなのかな?

結末は子ども達の願いが叶う形になって良かったよー。