なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

いのちの食べ方

2005年 ドイツ・オーストリア 時間:92分 配給:エスパース・サロウ
監督:監督:ニコラウス・ゲイハルタ

KAVCにて

英語のタイトルが[our daily bread]こっちのタイトルが映画とぴったり合うかもしれない。
子供の教育の一環として見せたいと思われる親御さんもいるかもしれないけれど、この作品は一切のナレーションも音楽も入ってないので、自分自身が理解していないことには、子供に誤解を与えかねないなぁーと親子連れを見てぼんやり思った。
いろんな生産現場が淡々と映し出される。畜肉関係は格別目新しくはないんだけど(職業柄ってことです)、それよりも農産物の現場の方が衝撃的だった。まるで、人間が機械の1部になっていて、チャップリンが見せたいぐらい!特にレタスの包装現場は目から鱗だった。そうか、包装場を作るんじゃなくて、農場で包装すればいいのか。でも、車が間違ってバックしたら大惨事じゃないかしら。
全ての現場において確立された生産性・効率化向上のためのシステムや機械類には、ある意味すばらしさを感じます。これを発明した人は大もうけしてんだろうなw。素晴らしくもあるけど、恐ろしさも感じる。そこで捌かれているのは、牛や豚や鶏や林檎であったりするのに、命あるものだと感じなくなるのだ。
それすら、工場での加工品みたいな感じを受ける。私は食べ物を作る産業の人に牧歌的な幻想を求めすぎたのかもしれない。今、とりあえず日本では何の苦労もなく食料の供給を受けているけれど、それはこのシステムによって成立していることを実感させられた。

工場や現場で働いている人の食事風景が合間に挟みこまれているんだけど、野外で食べている人たちはそうでもないんだが、ずっと屋内で働いている人の食事が餌みたいにみえて取り合えず詰め込んでいる様子が寒々しかった。

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)