なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

田辺聖子 残花亭日暦 角川文庫

残花亭日暦 (角川文庫)

残花亭日暦 (角川文庫)

やっぱり、田辺聖子は凄いや。何なんだろうな。老親や夫の介護をしながら、作家活動もこなす日々は楽しいことばかりじゃないのに、どことなく温かさに包まれている。多分、私なら、時折癇癪を起こす「パパさん」に、すごい切れるだろうに、やんわり切り返して笑いに持って行ってしまう。それまでの過ごした時間がここまで受けいられるようになるのかしら、と羨ましくもあった。お互いがお互いを必要として、頼りにしている関係がこれが本当の大人のカップルと言えるのではないかなぁ。
「パパさん」は口数が少ないけれど、その奥にあるものをきっちり受け止められるなんて、中々できないっすよ。おせいさんとカモカのおっちゃんは最強の夫婦だなぁ。
かわいそに。 ワシはあんたの。 味方やで。このセリフにはやられた、参った。
今まで読んだ中で最高の恋愛小説だ。