なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

山田詠美 風味絶佳 文藝春秋

風味絶佳

風味絶佳

山田詠美です。読まず嫌いだったことを反省。
肉体労働というか他人が嫌いそうな仕事に就いている男性と恋に落ちる女性たちを描いた短編集。
表題作も絶品だった。世間的な山田詠美のイメージに一番近い作品だと思う。
それよりも「間食」が好きだなぁ。一回り年下の男雄太と暮らす加代が印象的。それは恋愛を超えたものだよなぁ。もう、業と言ってもいいぐらい。この小説集に出てくる女性たちの執念はもうそれとしか言いようがないんだけど、憎めないんだよ。男性が読んでどう思うのかはわからないけど。料理に込めている思いが尋常じゃない。雄太は薄々気づいているっぽいラストが良いね。
「風味絶佳」の不二子の台詞は絶妙だ。まさしく、シュガー・アンド・スパイス。しかし、これの映画化のキャストを知っているので、不二子が夏木マリになってしまうのが困りものだ(笑)
「春眠」家族を取り囲む様々な思いに泣けてくる。