なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

フィリップ・グランベール ある秘密 新潮社

ある秘密 (新潮クレスト・ブックス)

ある秘密 (新潮クレスト・ブックス)

この「秘密」について、私はタカをくくっていたよ。読み続けていくうちに、その秘密のいきさつに知るにつれて、人間の「業」というものを考えさせられた。何と言うのか、フランスはやっぱり愛の国なんだわーって思った。描かれている情景が映像的なんだよね。映画にならないかしら。
戦争が引き起こした悲劇よりも、私は密かに思いを寄せ合っていた恋愛がある「悲劇」をもって、表に出て、結ばれてしまったっていう「ねじれ」た思いにちょっと衝撃を受けた。
でも、エピローグは余計だったな。でも、著者としてはこの部分を書いてこその決着だったのかも。
この作品を高校生が読んで受け容れ認めるというその目利きぶりにも驚嘆。