歓びを歌にのせて
2004年 スウェーデン 時間:132分
監督:ケイ・ポラック 出演:ミカエル・ニュクビスト/フリーダ・ハルグレン/ヘレン・ヒョホルムほか
配給:エレファント・ピクチャーズ
シネカノン神戸にて鑑賞
コーラス前面に押し出した宣伝をしているようだったので、コーラスで皆が一体感を高めてハッピーってラストを想像して観に行ったのだけど、ちょっと違っていた。
第一線で活躍していた指揮者ダニエルが心臓発作を起こし、現役を引退して、幼少期に過ごした村に戻ってくる。そこの村の聖歌隊の指導を頼まれることになる。彼は、実に熱心に合唱指導を行う。その中で、彼は「自分の身体の中で1番音の出るところを探そう」と言う。それは、私も合唱指導を受けたときに何度も言われたことが覚えがあるなぁー。彼らは合唱指導を受けるうちに、自分の身体に問いかけていく。音楽だけでなく、自分の内なる声に問いかけていく。閉鎖的な村に彼がやってきたことは波紋を投げかける。そこで、今まで言わずに触れられなかったことが段々と浮かび上がってくる。当然、不協和音も出てくる。でも、それを乗り越えてこそ、歓びを音楽に乗せて表現できるのじゃないかなと思われる。ただ楽しいだけではない、色んな瑣末な日常なトラブルや日々貯め込んでいた悲しみや憎しみやねたみや僻みなどを全てひっくるめての人生を生きていこその歌があるような気がします。観ながら、ベトベンの第九に使われたシラーの詞を思い出していた。「愛する者がいない者は残念ながらここから立ち去れねばならない」映画の中でも、立ち去った人がいた。人を愛することを知らないのか、出来ないのかわからないけれど。
ダニエルをキリストになぞられえているものもかなり見掛けました。そうすると、最初の聖歌隊のメンバーは13人だったかもしれないなぁ、と思ってみたり(笑)だから、結末がああなるのかーと得心する部分があるのだけど、私としては折角彼女との思いを確認できたのに、そこを引っぺがすってのはどうなの?と思う。どうも、私と西洋文化の間には越えられない深い河が流れているようだ。残念。
スウェーデンだからなのか、この監督独自なものなのかはわからないけど、恋愛表現が何だか斬新でした。オープンだなぁー。聖歌隊の女の子レナがいきなり泳ぐと言い出して、素っ裸になってしまったときに、ダニエルったらどうして指一本触れないのか不思議でたまりませんでした(爆)愛が1番に来ないとダメらしい(のか)。何て言うのか、向こうの一線を越えるときの線引きが結構純粋みたいなのが新鮮な驚きだった。つーか、私は「スウェーデン」っていう国をかなり誤解しているのかもしれなかったです(爆)
観てすぐよりも、後からじわじわと色んな思いが込み上げてきます。
ノベライズ
- 作者: ケイポラック,Kay Pollack,高橋千秋
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2005/12
- メディア: 文庫
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- アーティスト: サントラ,ステファン・ニルソン,ヘレン・ヒョホルム,レイラ・イルバー・ノルゲン
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