なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

花はんめ

2004年 日本 配給:「花はんめ」製作・上映委員会 時間:100分
監督:金聖雄 

川崎市桜本に住む在日韓国(朝鮮)人のおばあちゃん達のドキュメンタリ。
一番の長老清水のお姉さんの家におばあちゃん(はんめ)達が終日入り浸っている。みんなに食事をふるまったり、他愛のない会話を楽しんだり、週1回の「トラヂの会」を楽しみにして通ったり。そんなささやかな楽しみを共有する彼女達には、私達が想像もしえないような体験をしてきたんだろうなぁと何となく察することができる。でも、お姉さんの口から出てきた「炭坑での体験」は私は胸を打たれた。それを激昂して話すのではなく、淡々と静かに涙を流しながら話すのだ。何て強い人達なんだろう。今まで、こうやって歌ったり、踊ったりすることで乗りきってこられたのだろうか。彼女達の連帯感っていうのは、そんな経験を乗り越えてきた人達だからこそのものだろうし、同じ文化を持つ人達の結びつきでもあるんだろう。

ただ、このドキュメンタリは、視点があちこちに飛んでいて、今1つ絞りきれなかったって感じがする。出来れば、清水のお姉さん一人に絞ってくれたほうが、良かったかも。ほとんど寝たきりだった姉さんが、久しぶりに「トラヂの会」に出るために、おめかしを始める場面を見て、じんと来た。病気でほとんど伏せっている頃から、ちょっと曖昧になってしまって残念。

K.A.V.Cで鑑賞