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どうってことない日々のあれこれ

リチャード・ノース・パタースン 子供の眼

子供の眼

子供の眼

リーガル・サスペンスの傑作との評判に違わず、公判の場面は息を飲むスリリングな展開だった。
それよりも、テリの親子、登場人物の親子の描かれ方が上手いし、テリの夫のリッチーの外面が良くて実は粘着男の書かれっぷりときたら、こりゃ公判は勝たないとあかんって読者に最初に共感させるように持ってくるものね。さすが、元弁護士だねー。陪審員たちをこれまでもこの手法で自分側に引き込んだのかもしれない(笑)読んでいるうちに、陪審員制度ってホントにこれからも継続されるべき制度なのかと考えさせられたりもする。
確かにリーガル・サスペンスとしては見事だと思うんだけど、すっごい後味悪い。テリの娘の心のキズはこれからもきちんとケアしていかなくてはいけないし、テリは、クリスが政界進出を断念させるほど魅力ある女性なのか。何だかこのカップルは長続きはしないような気がする。