なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

エイプリルの七面鳥

2003年 アメリカ 配給:ギャガ・コミュニケーションズ 時間:80分
監督:ピーター・ヘッジズ 出演:ケイティ・ホームズ/パトリシア・クラークソン

タイトルのエイプリルはヒロインの名前。
ヒロインのママは乳がんの手術をして現在も治療中らしく、薬の副作用か病気の発作なのか、或いは両方なのか、とにかく体調は芳しくないらしい。エイプリルはママがそうなる前から問題児らしく、家族ともしばらく会ってない。それを感謝祭のディナーに招待するということから、ママが今どんな状態で、エイプリルがどうしたいのか自ずとわかってくるんだけど。
とりあえず家族構成がめちゃリアル。エイプリルにまつわるエピソードを語るのに、誰もが何も思い浮かべなかったり、家族、特にママに彼女に会うことに葛藤があって、悪態ついたり、彼女に対して露悪的な表現をしたり。
それに違わず、エイプリルもがさつで取敢えず料理がからきしダメ(多分、ほかの事も不器用そうだ)。オーブンも物入れになってるぐらい。普段は何を食べていたんだろう?
家族の和解よりも、七面鳥を焼くオーブンを貸してくれる住人探しのエピソードが感謝祭の起源そのまんまでじわりと来ました。それがきっかけになって、人の持つ優しさに気づくエプリルが良い感じ。そして、同棲中の恋人のボビーがすっごいいい奴なんだよね。エイプリルにはもったいないぐらいだけど、彼はきっと彼女の優しさや脆さをわかってあげられるんだと、かなり羨ましい。
最後にみんなが集まる食卓は、まさに感謝祭にふさわしい食卓。初めて、みんなとびきりの笑顔で、その前に撮っていたクリスマス用の写真よか、ずっと良い出来だったのも素敵。
もっと、涙を誘うような展開になるのかと思いきや、何とはなしに希望が見出されそうなエンディングなのも良かった。
と思ったら、これは「ギルバート・グレイプ」の脚本を書いた人が監督なんだ、納得。

日本でのクリスマスはケンタのチキンが定番だけど、アメリカの感謝祭の七面鳥はどこの家でも作るものなんですねー。詰め物の素みたいなものが出てきて、感心してしまった。

シネカノン神戸にて鑑賞