なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

舞城王太郎 「好き好き大好き愛してる。」 講談社

好き好き大好き超愛してる。 ISBN:4062125684
初めての舞城王太郎だったけど、思いきり玉砕。

最近の芥川賞選考での輝じいのコメントは失笑モノ扱いだけれど、私は笑えないな。誰の作品だったか「何が哀しくてこんな小説を読まなくてはならないのか」ってのがあるけれど、まさしくそんな感じ。きっと、私の読書年齢は60代ぐらいなんだろうなぁと気づかされたよ。

小説もリズム感あふれる描写で「現在」を書いているって印象を受ける。でも、その実態はありきたりと言っては言い過ぎかもしれないが、ありがちなストーリーだ。そのスピード感が好きな人は受け入れられるのかも。私の中ではクドカン脚本にも同じ印象を感じるので、これは読む人の嗜好の問題かもしれない。でも、私はこのポップな表紙とタイトルはとても好きだよ。ちょっと、本屋で出すのが恥ずかしかったけどさ(笑)

それでも、この作品の言葉に心に響くものは感じられたのは救いといってもいいのだろうか。最後は何だかじんときちゃったけれど、それだけで終わらせるのは作者としては不本意なのだろうか。

同時収録の「ドリルホール・イン・マイ・ブレイン」に至っては力尽きてしまいました。読むだけで精一杯だったよー。

でも、この作品たちを舞台で上演してくれたら、結構面白がられるんじゃないかなぁーとふと思った。舞城さんは、劇団新感線が好きではないかしらん?

帯の言葉に騙された人も少なからずいるかもしれない。あれじゃ「セカチュー」と同じじゃないかよー。私も一瞬こんな装丁なのに、中身は純愛小説なのかと思いましたよ。確かに純愛ではあるけれども、路線がかなり違うよなぁ。