なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

誰も知らない

2004年 日本 配給:シネカノン 時間:141分

監督:是枝裕和 出演:柳楽優弥 北浦愛 木村飛影 清水萌々子

公式サイト http://www.daremoshiranai.com

4人の子供達を置いて、男の人のところへ行ってしまう女性をYOUが演じてるのがハマリ役と言ってもいいぐらい、説得力がありすぎ(笑)悪びれずに長男の明にまかせてしまうのも彼女ならそうするんじゃないかしら、と思わせるもの。子供達にしたってみんなそんな感じ。演技ではなくて、これは素の表情じゃないかと思われる。これが是枝監督の演出なんだろうなぁと、今までの作品を観てそう思う。四季の移ろいと子供たちの表情が時間をかけて丁寧に撮られているのがよくわかるし。

柳楽君にいたっては、引越してきた時には子供子供していたのに、半年後には変声期を迎えて少年の顔になってきているのを観ていると、偶然なのか狙っていたのかわからないけど、その伸びやかさと彼を取り巻く現実の過酷さとの対比に切なくなってしまう。でも、兄弟たちの表情はどれも捨て難いのよねぇ。あれが演技だったら、末恐ろしいなぁ。

彼らに誰もが助けの手を差し伸べる事はないわけじゃない。でも、それが彼らを今いる状況から抜け出させようとする救いの手ではない。その日一日をしのぐための手なのだ。だから、余計に哀しい。でも、兄弟たちはそれでも生きていかなくはいけない。そして、誰も悪気があるわけじゃないから、救いがない。私も何かをしてあげられるわけじゃないから、何も言えない。(シネカノン神戸で鑑賞)