なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

油断大敵

2003年 日本 配給:ゼアリズエンタープライズ、ケングルーヴ 時間:110分

監督:成島出 出演:役所広司 柄本明 夏川結衣

原作:飯塚訓「油断大敵〜刑事部屋事件簿」文春文庫

ISBN:4167656892

前知識もなく、何となく借りてきたけれど、むっちゃ面白かった。こんなによく出来ているのに、いつ、どこでひっそりと上映していんだろうねぇ、勿体ないねぇ。多分、神戸では上映してないと思うけれど…(調べたら、シネカノン神戸」で上映していた!迂闊だったなぁ)

刑事を見て自供する事で有名らしいベテランの大泥棒が柄本明、彼に見込まれて(?)泥棒学を教わるヤモメ刑事が役所広司。人を食ったようなネコに対しても、あくまでも馬鹿正直に誠実な対応をする仁のやり取りが面白い。この2人は緩急自在な芝居を見せてくれて、いっそのこと2人芝居でもやってくれないかと思う程です。そういえば、柄本明のシリアスな芝居を見るのってここ最近のことだよねぇ?舞台は観てないから知らないけれど。あまり出番は少ないけれど、淡路惠子がかっくいい小料理屋の女将で出てますよ。東京乾電池のメンバーもさりげなく出てるよ。奥様も〜。

この2人の関わりと並行して、仁と娘の関係も描かれているんだけども、子供時代の娘美咲が仁のヤモメ卒業になりそうだった恋を必死で阻止しようとするところなんて涙モノですよ。なのに、美咲の自立に対しては至極あっさりしたものなのが残念といえば残念なんだけども、看護助手を勤める美咲が入院患者の女の子を励ますと「うわぁ、お母さんの手とおんなじだ」って言われるところが彼女の健気さが伝わってきて、じんとしちまいましたよ。

この作品はセリフの一つ一つに思い遣りがこもっていて、そこが良いのですよ。脚本も役者もしっかりしていて演出もやらしくないし、観ていて気持ち良かった。音楽もバチグンにオススメです。ついでに公式サイトhttp://www.yudantaiteki.com/もオススメです。オイッチニ!