なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

藤岡陽子 てのひらの音符 新潮社

手のひらの音符

手のひらの音符

涙活におすすめかも。
著者と同世代であることもあって、時代背景も知っていることもあって、なんとも切ない気持ちになった。
子供であっても、無邪気に夢を見続けていられない、現実にさらされている子もたくさんいるだろう。そこで、いろんな感情に蓋をして、すべての事にあきらめて生きるようになるか、それでも、自分の夢をどうすれば実現できるのか、見据えて、遠回りでもそれを叶えてられることの違いはなんだろうか。それは当人の意思もさることながら、そのことに、気が付いて、手を差し伸べてくれる人の存在は大きいだろう。そんなことをつらつらと思いながら読んでいると、こらえきれない気持ちになってきた。強く生きるっていうことは、こういうことなのだと、登場人物に教えられた。