なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

さくらんぼ 母ときた道

2007年 日本・中国 時間:107分 配給:ザナドゥ
監督:チャン・ジャーベイ 出演:ミャオ・プゥ/トゥオ・グゥオチュアン/ロン・リー/マ・リーウェン

シネカノン神戸にて
ノベライズ

さくらんぼ 母ときた道

さくらんぼ 母ときた道

知的障害があるらしい女性が捨て子を発見して、わが子として育てるというお話(はしょりすぎです)
なんというのか、これを見て感動できる人っていたのかしらん。
中国の貧農の家で、拾われて育てられた女性、桜桃は、その家の、貧農の上に足に障害がある男性と結婚させられる。でも、女性は結婚の意味すらわかっていないのかもしれない。ただ、子供の作り方はわかっているらしく、村の広場で憩いのひと時を過ごしている男性に早く家に帰ろうとばかりに迎えに来る場面があるんだけども、笑うに笑えない。
ただただ、子供を欲するのだ。とても、直情的。拾った子供に紅紅と名づけ、また、ひたすらに可愛がる。子供がぐずったら、道端になっているさくらんぼを摘んできて持たせる。ホントにそれだけ。夫は、農作業を終えたら、食事を作り食べさせる。多分、洗濯とか家事全般をしているのかも。母子の愛よりも、何も文句を言わずに家族の為に働いている夫に同情を覚える。
紅紅が母親が他のお母さんたちと違うことに気づき始めて、恥ずかしがるようになると、夫は「母さんがいるからお前がいるんだよ」と諭すのだ。何か人間として清清しく感じたよ。冒頭ではあんな感じだったのになぁ(笑)
紅紅がいじめられたと知って、桜桃はいじめっ子に手を上げてしまう。いじめっ子の親が治療費を請求に来る場面が印象的だった。夫が桜桃を殴りつけ、罵るのだ。それで、いじめっ子の親たちは呆れて引き上げてしまうのだが、夫が泣きながら、こんなことはしたくなかったが、貧乏で治療費が払えないから仕方ない。悪いのは母さんじゃなくて貧乏であることだと、家族三人がさめざめと泣くところが、初めて家族がひとつになるところだったはず。
この作品のひどいのは、途中でその桜桃が失踪してしまうってところ。上手くはぐらかされた気分です。それでも、夫は男手ひとつで紅紅を育て、貧困の中で大学にまでやって医者にさせるってすごいミラクルな結末です。それなのに、紅紅は父親よりも母親の愛に深く感謝するってどうなのこれ?夫の名前を覚えていなかった私もどうなのかしら。ホントに報われない父親の無償の愛。

でも、この知的障害のある女性を演じたミャオ・プゥは体当たりの演技で熱演でした。ドレスアップした彼女を見て、そのギャップに驚いてしまった。