なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

長江哀歌

2006年 中国 配給:ビターズエンド/オフィス北野 時間:113分
監督:ジャ・ジャンクー 出演:チャオ・タオ/ハン・サンミン/ワン・ホンウェイ/リー・チュウビン 

KAVCにて鑑賞

炭鉱夫を演じている人が、そのまんま炭鉱から抜け出てきたばかりの風情で、台詞の間の取り方の悪さとかが妙にリアルで、これ本職の役者さんが演じている雰囲気じゃないよなぁと、いや、もし役者ならある意味天才かも!とずーっと思って観ていたのだが、後で公式サイトで確認したら、本当に炭鉱夫をされている人でしたよ。半分ドキュメンタリを見ているような感じでしたよ。ほら、テレビ慣れしていない人がカメラを向けられて、どこに視線を合わせるのかわからなくて、定まらなくて落ち着かない様子なんだもの。でも、その途方に暮れた雰囲気が実にマッチしていたよ。こうやって、三峡ダムは中国の大事業として称えられていくのだろうが、それを支えているのは貧しい労働者たちなんだなぁ。取りこぼされていく人たちの日常を切り取っただけのような映画ではありつつも、意味のないCGみたいな(笑)映像を使う感覚が新しいものを取り入れてみたんだぜーって愛嬌なんですかね?しみじみと変わり行くダムの周りの町の風景や、変わらざるをえない人々の暮らしとかを何故だか郷愁を感じつつも、何故だか失笑を浮かべつつも、理解に苦しみながらも、これが中国の今の風景なのだわーと感じたのだった。

でも、なんで携帯電話を持てるの?他の労働者は持ってないのに。つか、山深いところなのに携帯が繋がるのか?と素朴な疑問がふつふつ沸いてきた。それも含めてエレジーなのかなぁ。