なんてつメモ

どうってことない日々のあれこれ

ホテル・ルワンダ

2004年 南アフリカ・英・伊 時間:122分 配給:メディア・スーツ/インターフィルム
監督:テリー・ジョージ 出演:ドン・チードル/ソフィー・オコネドー/ニック・ノルティ

109シネマズ神戸にて鑑賞

観終わった後に何とも言えない気持ちになる。これは映画であって、映画館を出れば、そこはいつもと変わらない生活が待っているけれど、実際のルワンダは相変わらず政情不安定な状態が続いているのだ。そこにある現実の重さに打ちのめされる気分だけど、日が変われば、そんな気持ちすら忘れてしまえるから、そのことに対する罪悪感とか後ろめたさを味わう感じ。ぶっちゃけ、日本人でよかったなぁーって思うのですよ。

映画としてはストーリー展開は抜群に面白いと思います。瞬時にホテル支配人が敵か見方か利用するべき人間は誰かを判断して、巧みに立ち回るのもはらはらしたよ。そんな彼でも、ある場面では慟哭をあげることがありました。私にとっても、それは観ていて辛い場面だった。その場面そのものが残酷であることではなく、その前に繰り広げられていただろう大惨事を想像させられる、その表現力の強さを感じた。多分、これがアメリカ資本の映画ならば、これでもかってぐらい、延々と殺戮場面を見せるのだろうな。

守るべき側の国連平和維持軍や赤十字が行き場を失った人たちをホテルへ連れてきて、彼に守ってもらうように依頼する場面がありますが、改めて彼らの役割や責任範囲とは何かを考えさせられる。正直、抑止力にはなっていないけれど、ぎりぎりの最低ラインを維持することはないよりは、あったほうがいいのだろうか。観ている間中、ずっと問題を突きつけられているような気がした。一生懸命答えを探そうとするけど、私はあまりにも無力だ。そして、冒頭のような気分になってしまうのだ。

そもそも、フツもツチも民族学的な区分ではなく、とても曖昧なものを、植民地時代にドイツやベルギーが統治するのに政治的に利用されたものであるらしい。で、当人がフツやツチの変更をすればそれで通ったって話も聞いた。それが民族紛争のように取り上げられたのは、植民地時代の政策の結果だ。そのことがとても恐ろしく思った。日本は単民族で成り立っている(厳密には違うけど)からこんなことは起きないだろうとは思えない。マイノリティに属すると思われるモノや思想に対しての拒絶反応なんてヒステリを起こしているもの。

上手くまとめられないなぁ。 

ホテル・ルワンダ サウンド・トラック

ホテル・ルワンダ サウンド・トラック

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈下〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

ジェノサイドの丘〈下〉―ルワンダ虐殺の隠された真実